読みもの
都市の地面を自然な状態に戻していく
2022.07.05更新 / やくにたつ建築の話
軒先に木を植えるて、地面には枕木を敷き、その隙間に草を這わす。
雨がかからず草花が育ちにくい場所にはウッドチップを敷く。
雨庭という考え方がある。
簡単に言うと個人で出来る治水事業だ。
都市の建物の屋根に降った雨は下水管に流れるため、雨が多いとあふれてしまう。
雨庭は敷地内の地面に浸透させることで都市に降った雨を集中させない。
わたしたちがアスファルトやコンクリートで固めてきた都市の地面を、
自然な状態に戻していく作業だ。
地面を自然に近い状態にすることは暑さ対策にもなる。
アスファルトやコンクリートは夏の日射で蓄熱し、輻射熱で人や建物を温める。
木や草花は土中に水分を含み、葉は呼吸して熱を発散する。
まとまった木々がある場所の空気はひんやりしている。
エアコンの室外機や自動車からの排熱。熱されたアスファルト。
ただでさえ都市は暑い。
一軒の軒先でいくら頑張ってみても効果はないが、
みんなが軒先を少しづつ緑化すれば点が面にもなり得る。
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