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改めて考えるすま研の仕事

2016.01.17更新 /

阪神淡路大震災から今日で21年が経ちます。

忘れたり半ばあきらめることをして自然災害の多いこの国で生きてきた日本人、
というようにも言われ、既にそうなってしまったような印象がありますが、
今でも大きな地震が太平洋沿岸の地域を中心にいつ起きてもおかしくない状況です。
改めて建物の安全について考えてみました。

当時僕は大阪市内に住んでいましたが状況をリアリティをもってとらえることができませんでした。
現場で体験しないかぎりはリアリティなどいつまでも持てないと言えるのかもしれません。
それでも今は仕事を通して、当時の被害を建築的な視点で知るようになりました。
5年前には東日本大震災があり、建築に対してどうということを通り越して、考え方が変わりました。

ところで、当たり前ですが建築は大きい。
だから、宙に浮かせるように見せたり大きくせり出したりそびえ立たせたりと、
構造的な技術を駆使して形をダイナミックに操作することで人を惹きつける力も大きいのだと思います。
用途によっては象徴的な魅力が求められることもあります。
でもそれらはかつての丹下健三氏のような、国を代表する建築家たちが素晴らしい才能を結集して
成し遂げるような作り方です。

僕のような街の設計士が表面的に真似をしようものなら、ただうまくいかなかったねというだけでは済みません。すまい研究室はあわてずさわがず、らしい仕事ぶりを目指したい。

少なくとも、構造的な技術をはじめ設備や素材を過信せず、自然に対しては克服するというより謙虚に向き合う。そして、人をむやみにびっくりさせようとしたり主張しようとせず、その場所になじむ建物、構造的なことも含めて与えられた条件に対して丁度いい建物を目指す。

ものすごい耐震や免震の技術を駆使するわけではないすま研の建築には、
いやそうでなくても、こういう考え方をすることは構造的な安全にもつながるんだと思います。