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改修を前提に戸建住宅を見に行く

2016.01.15更新 /

めぼしい物件があるから一緒に見に行ってもらえませんか?

大々的に改修することを念頭に、中古住宅を買いたいというご夫婦からの相談でした。
すまい研究室の目標は工事の種別や規模に関わらず居心地のいい場所をつくること。
建物や場所の持っているポテンシャルのようなものを見つけにいざ現場へ。
もちろん、地盤のこととか耐震性とか法的な制約だとかいうこととも重要ですから
そちらは粛々と、建築士としての知識、計算して検討、調査するといったやり方で判断していきます。

「ここはクロス張り替えてあります」
「前の住人の方がきれいにきれいに使われていますね」
「部屋がたくさんあって使いやすいですよ」
すま研的視点なぞ知る由もない不動産屋さんのアピールポイントは申し訳ないけれど小脇に置いて。
「我々としても是非ともAさん(ご夫妻)に決めてほしいから、申し込みをしてくれれば死ぬ気で交渉してきますよ」
なんてまったく調子のいいことも言ってます。
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そして本題へ

現場から店へ戻ってきて少し話をするうちに、不動産屋の営業トークが功を奏したのかなんなら今ここで申し込みぐらいなら…
と言って奥さんと僕を驚かせたご主人。
まあそれは日を改めてでも遅くはないでしょうとその場を切り上げて僕たちは店を後にしました。
そして出張帰りで晩ごはんを済ましていなかったご主人と奥さんと共に近くの居酒屋へ。

ここで初めて家の話をしました。
普段の暮らしぶり、すまいへの要望、予算その他いろんな条件。
そしてこちらからはすま研の考えるいい家の話を。

ご主人からすれば、建築士と一緒に物件を見てよほどおかしな点がなければよし、だったのかもしれません。
でも僕からすると、改修が前提の戸建て住宅選びにしたってしっかり話を聞くと聞かないでは言えることも全然違うのです。
だからよほどの可能性がなければ今晩の本題は不動産屋を出てからだと思っていました。

結構遅くまで話をした僕たち。
本当に忙しいご主人を日々支える奥さんは最後に、彼が心休まる家にしてほしいと言いました。
こういう言葉を聞いて力になりたいと思わずにいられましょうか。

結局、すま研でも不動産の情報を集められる知り合いに頼んでみて、
引き続き物件を探していくことになりました。
なんにせよ今晩は夫婦があたりをつけていた物件を見送らせたわけです。
最後までしっかりお付き合い願おうと思います。