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「建物に外観はいらない」 建築家 石井修氏自邸(前編)
2015.10.24更新 / 今日のすま研, 探訪!愛すべき建築たち
建つというより埋まっているようでした。
西宮市目神山町。建築好きには説明不要の有名住宅があります。
建築家石井修さんの自邸です。
氏は2007年に亡くなられるまで目神山で20数軒の住宅を設計されたということですが、そのきっかけとなった自邸の中を見学するまたとない機会が訪れました。
特徴はなんといっても地形を活かし木を切らないということ。
竣工当時の目神山は電気水道どころか道路もない山。斜面だからといって土を掘ったり埋めたりして平らにするようなことはしませんでした。樹木はできる限り残し、屋根の上には土をのせ、敷地には新たに植樹もしました。「建物に外観はいらない」というコンセプトの通り、今は生い茂る木々に埋もれていました。
道から、玄関に続くアプローチをみたところ。この奥に玄関がありますがその前に草屋根に登らせてもらいました。屋根に登るといっても建物が半分地面に埋まっているため、なだらかな登りの道を進むうち、気がつけばそこは屋根の上。
草やねに向かう途中で建物が顔を出します。明るくて気持ちのよさそうな台所が見えます。ガラス屋根の向こうに続く屋根には土が載せられて草が生えているのがわかります。
屋根の上の様子。人が見えるところあたりまで屋根が続いています。
屋根の端まで歩いていくと、建物のもう半分の屋根が見えてきます。屋根から立ち上がる煙突
を見て気分が盛り上がったところでいよいよ中へ。
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