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完成後2年のすまい訪問
2019.05.29更新 / 今日のすま研
マンションリノベーションの完成後の設計点検に伺いました。中古マンションを物件探しからお手伝いし、内装を一旦全て壊してから作り直す、いわゆるスケルトンリノベ―ションをしたすまいです。こうして完成後の点検に伺うと、引っ越し前の何もない状態ではわからない暮らしぶりがうかがえます。
完成時の写真などはこちらです。-間取りのない家 #02-
いろんな話題がありますが、ここでは床の木を見て感じたことをお伝えしようと思います。
床材は、無垢の木の床を希望されていた夫妻のために材木屋さんのセール情報をキャッチして提案したラーチという木です。最初は白っぽかったのですが、2年が経って全体が飴色に濃くなって、日々の生活によってキズがつき、いい感じに馴染んでいました。息子さんがはまったコマ回しのあともあります。仕上げのオイルフィニッシュをご自分たちで経験済みなのでメンテナンスも自分たちでできます。ジーパンを「育てる」という表現がありますが、その感覚と似てますね。
このすまいでは玄関の土間にも同じ木を使っています。最初はきれいすぎて土間っぽくなかったのですが、この2年で「立派になったのね」と声をかけたくなる土間らしい表情になっていました。
このすまいは木の床のほかに畳があります。
床に置いただけの置き畳は、僕が想定したほど動かすわけじゃないみたい笑
夏に寝る場所を移動させたりしてるということです。
軽い畳にして裏には滑り止めをつけて手軽に移動させられるように作りました。
完成時がピークでだんだん劣化していくだけというより、時間が経って熟成されていくほうがいいですね。建築全体が使い手や暮らしぶりと相まって熟成されていく建築でありたいと思います。
このすまいを愛して暮らしてくださってるクライアントへの感謝を感じた1日でした。
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