読みもの
2011年8月17日のすま研
2011.08.17更新 / 今日のすま研
先日、京都にある和菓子屋、
虎屋一条店にいきました。
庭を望む店内でお茶と一緒に
菓子をつまむことができる場所が
用意されています。
僕が座ったのは庭に面したテラスで、
屋内とはガラスの建具で仕切られており、
冷房がない場所ですが
テラスのすぐそばには水が張ってあり、
風が水面をゆらしながら席まで届くので、
視覚的にも体感的にも涼しくすごせました。
テラスには直射日光はあたらず、
南から北を見るので、
芝生や石畳、古くからある倉、
鳥居、建物の木張りの外壁、瓦屋根などが
光を受け、所々に木々がつくる影とあいまって
非常に鮮やかで美しい色彩を楽しめました。
テラスと庭は、御簾(みす)をはめ込んだ戸
で仕切られていますが、
そのほとんどが一時的に外されており、
2、3枚が建て込まれている程度でしたが、
それらの配置にさえ、
店側の配慮が見て取れて、心地よいものでした。
そしてその庭は近隣に対して開放されています。
僕が庭を眺めながら茶をすすっている間にも、
学校帰りの小学生が通りぬけていきました。
設計者が、庭を含めた配置計画
とともに地域に開放するプログラムを提案したの
でしょうか。
屋根、壁、床といった物質的な側面を超えて、
建物のあり方、虎屋のあり方みたいなもの
を感じることができます。
恐れ入ります。
今日も、すま研に来ていただき、
ありがとうございます。
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