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敷地の境界を考える
2026.06.19更新 / 今日のすま研
あなたとお隣さんの敷地の間には必ず境目がある。
今日はその隣地境界線のあり方について考えてみたい。
よくあるのはコンクリートブロックを2段ほど積み、フェンスを立てるパターン。
因みに、だいたい人の背丈ぐらいになっていることが多いのは建築基準法で1.8mを超える塀は色々と制約がつくから。
さてこのフェンス、世の中の8割、いやもしかすると9割近くの人が特になんのこだわりもなく立てているのではないかと睨んでいる。
境界線だからフェンスでも立てとく?みたいな。
そんなことでどうする。
いちど立ち止まって古今東西の壁や塀について考えてみよう。
秦の始皇帝は北方の騎馬民族の侵入を防ぐために万里の長城を作りました。
第二次世界大戦後、東ドイツは自国民が西ドイツへ亡命するのを防ぐためにベルリンの壁を作りました。
最近では、2016年にドナルド・トランプが米大統領選挙の公約として掲げたアメリカとメキシコの国境沿いに建てる壁というものもありました。
ひとは自分の所有物を守りたい。
多分本能でしょうね。
自分の敷地に他人が入ってほしくない。
だからフェンスを立てる。
つまり、防犯という観点だ。
しかし。
日本の住宅地で隣地から騎馬民族や亡命者や移民がやってくることはない。
お隣さんがプーチン大統領(※1)みたいな人で自分の領土を力づくで拡大するため、ある日突然侵攻してきたとしたらどうするのかって?
それはもうフェンスでは止められない。
1.8m程度のフェンスで覚悟を決めた侵入者を防ぐことはできないのだ。
次に考えられるのは目隠しという線。
あなたが家を建てるとしましょう。
隣の敷地には既におうちが建っている。
そこには窓もある。
こちらも窓は付けたい。
窓を穿つ。
するとどうでしょう。
あなたが歯を磨きながら何気なく窓の外を見ると、あくびをしながらのびをするお隣のご主人と目が合う。
これは気まずい。
だからフェンスを立てる。
目隠しタイプのフェンスを立てる。
なるほど。
これはわからんでもない。
でもね。
あとから建てるってことはお隣さんの窓の位置もわかっとるわけで、まず設計の工夫で目が合わんようにしますわな。
1階はまだしも2階の窓なんてフェンスでどうにかなる高さではないでしょう。
というわけで目隠し説もちと弱い。
ここらでフェンスがなかったらどうなるのかを考えてみましょう。
まず、すっきりします。
民法では、隣地境界線から建物までは50センチ以上離しなさいと決められている。
互いに50センチづつ、合わせて1mのあいだにブロックもフェンスもなければ見た目にはものすごくすっきりする。
エアコンの室外機を置くにしてもコンクリートブロックで排気が遮られてショートサーキット(※2)を起こすこともなくなる。
風通しもよくなって、せせこましくてごちゃごたしたあのイヤ~な感じもなくなります。
敷地いっぱいに建物が建つような街中では、隣地は生活空間ではなく、メンテナンスや通風採光、設備スペースといったサブ的スペースであることがほとんど。そのような空間で隣人が常に侵入してくるなんてことはないのだから、なんとなくブロックを積んだりフェンスを立てたりすることはよそうじゃないか。
※1 プーチン大統領
2022年2月、ロシア連邦大統領ウラジミール・プーチンはウクライナ南東部丼バス地方において特別軍事作戦を発表しウクライナに軍事侵攻。
2026年6月現在、戦争が続いている。
※2 ショートサーキット
エアコンや換気扇の運転時に排気された空気が十分拡散せず、再び機器に吸い込まれてしまう現象。冷暖房や換気の効率が著しく低下し、電気代の増加や機器の故障の原因となる。