読みもの
2011年6月20日のすま研
2011.06.20更新 / 今日のすま研
よくある売り文句。
「賃貸住宅と同じ月々の支払いで、持ち家が買えますよ。」
果たして、本当なんでしょうか。
そしてこう続きます。
「賃貸住宅なら毎月のお金を捨てていくことになりますが、
持ち家にすれば、資産が残ります。」
これも本当なんでしょうか。
本当だとしたら、そりゃ買わなきゃ損ですよね。
わたしは、
すごく持ち家を建てたい人ですし、
かつ、ドケチですから、よくよく考えてみました。
いろいろ本も読んでみました。
結論。
既成の住宅では満足できない人は買うのもいいかもしれない。
普通の家でいい人は買わない方がいい。
なかなか複雑な話なので、
いつか特集記事として組みたいと思っているんですが
一部だけ説明すると、こうです。
1「賃貸と同じ支払いで持ち家が買える」
例えば、今は子供がいて4人家族で月10万円の家賃支払いをしているとします。
仮に35年ローンとすると、20年後に子供が出て行って2人になったとしても
同じ家に住むのであれば、同じ支払いで持ち家が買えたということになるでしょう。
しかし、現実的には
家族構成が変わっても同じ規模の住宅に住むのは非合理的です。
また、子供がいるときは生活環境の穏やかなところが良かったり
高齢になってくれば利便性のいい場所がよかったりと、ニーズも変わります。
というように、
賃貸住宅には持ち家よりもフレキシビリティの点で有利です。
不動産価値が右肩上がりの時代ではありませんから、
持ち家を転売するときには相応の損失がでると考えるのが現実的でしょう。
引越したくても、なかなか引っ越せないのが持ち家です。
また、実際は変動するであろう、賃貸の支払いを指して
同じ支払いで持ち家が買える、というのはちょっと語弊があるでしょう。
2「持ち家にすれば資産が残ります」
中古だからといって土地の資産価値が減ることはありませんが、
住宅は中古であれば、そのとたん価値がガクっと下がります。
築30年の住宅付きの土地より、更地の方が価値が高かったりします。
日本社会では、中古住宅の価値が非常に低いのです。
ですから、持ち家にすれば土地という資産は残りますが、
中古住宅という負債を同時に抱えます。
自分は売らない、ずっと住み続けるからいいのだという考えもありますが
その場合でもメンテナンスの費用はかかります。
賃貸住宅ならメンテナンスは大家の責任ですが、持ち家は全部自分の責任です。
また、災害や予期せぬトラブルで
住宅がダメになってしまうこともありえます。
その場合は、土地の資産価値は残りますが、
前の家のローン、新しい家のローンなどの負債を抱えることになるでしょう。
などなど・・・。
ですが、既成の住宅では満足できない人は
持ち家もいいと思います。
今挙げたのはマイナス面だけですから。
しかし、世の中には普通の家を建ててる人の方がずっと多いですね。
なんだかもったいないなと思います。
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