読みもの
クライアントの声<後半>
竣工したすまいのクライアントにすまい作りについての感想を寄せて頂きました。
今回はその<後半>です。
・クライアントの声<前半>はこちら
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【プランとそれから】
私たち夫婦はどんな設計図が出てくるのだろうと楽しみに待っていました。そして2週間
後、いよいよプランを提示してもらう日になりました。
私たち夫婦はまず、プランを見てビックリ!なぜか?
パソコンで図面を描いたものが提示されると思っていたら、なんと手書きだったのです。
色鉛筆で書かれたとても暖か味のある色彩豊かな絵だったのです。その絵に描いてある家
族4人は、絵の中で動いていました。すぐに私たちはどういう家ができるのか、イメージで
きました。その後、図面を提示してもらいより立体的にイメージすることが出来ました。
その時丹羽さんには言いませんでしたが、私たち夫婦はその絵に一目ぼれをしたのです。
そして、「丹羽さん、すごいなあ」って、打ち合わせが終わってから夫婦で感心しました。
そういえば、丹羽さんに初めて会った時に交換した名刺には「想像を超えます」って書い
てありました。まさしく、想像を超えていました。
そして、私たちの家は丹羽さんに委ねたのです。
そこからと言うものとんとん拍子に話しは進み、すぐに工事に入りました。とはいかず
・・・。なぜなら、私の奥さん結構こだわりが強いので、照明やスイッチ一つ一つを自分
や丹羽さんと探したりしていたり、キッチンのタイルについてあれでもないこれでもない
と探したりしていたからです。その時間が私にはとても長く感じられ、心の中では早く進
まないかなあと思っていました。けれど、奥さんの家に対する想いと、丹羽さんがそれに
応えて細かいところまで妥協することなく対応してくれる姿を、私は静かに見守っていま
した。
私たちの自宅になるところは以前靴屋さんでしたので、解体したり、下水を引いたり・・と
なかなかの大工事。築36年の建物で当時の設計図もない物件でしたので、解体してから分
かることもあったようです。
途中で何度か設計図も変更になりましたが、その度に、変更点を伝えてもらい私たちにも
わかるように説明もしてもらい、工事は進んでいきました。
リノベーション工事の場合よくあることだと思いますが、当初の設計と変わるという事は
当然かかる費用も変わってきます。私たちも予算があります。当初予定していなかった工
事などが入って費用負担が大きくなりそうだと分かると、丹羽さんは同じような雰囲気を
保ったまま、他の部分の予算を下げられるように考えてくれます。
そして、解体工事や屋根の修復、内装工事も進んできて、私もようやく家の全体像が見え
てきて、心が高まってきました。
しかし、そこからが長かった~。私のように家づくり知識ゼロの人間からすると、最近の
家はすぐにできるというイメージがありましたが、そんなことはありません。
毎日大工さんが一生懸命作業してくれているのは見ていたのですが、なかなか進みません
。そらそうです。私たちの家はパッケージで作っているのではなく、一部屋ずつ手作りな
のですから。ですので、私は工事中の自宅に敬意を込めて「サクラダファミリア」と名付
けて呼んでいました。周りの人がなかなか出来ないとやきもきしていましたが、その度に
「サクラダファミリアやから時間がかかるんです。」と言ってきました。
出来上がりが近づくにつれて通りすがりの人たちに、何ができるんや?と大工さんは聞か
れていたそうです。それぐらい良い出来上がりで、とても素敵な建物になりました。
富士野造園さんが手掛けているくださったデザインの玄関までのアプローチも、とても素
晴らしく、通りすがりのおばちゃんから、ここは玄関が良いですね~。と何度も言われま
した。
最後の仕上げである床のワックスがけは、丹羽さんと私たち家族みんなで1日かけて行い
ました。引っ越しも5日間かけて、少しずつ自分たちで行いました。
そしてようやく、完成~!となったのです。
【生活が始まりました】
今までのマンション暮らしと違い、より私たちらしい生活が出来るようになりました。子
供たちは一日中、走り回っています。私は、今までなかった庭の木や花の水やりを楽しん
だり、丹羽さんお勧めの椅子でゆったり本を読めるようになりました。奥さんは、好きな
料理をお気に入りのガスオーブンで、ゆっくりと作れるようになりました。
その後、しばらくしてから丹羽さんから素敵なプレゼントがありました。それは、私達の
生活風景を写真家の野川かさねさんが撮影しに来てくれたのです!後日、出来上がりの写
真を頂きましたが、家族の団欒風景、子供たちの表情、奥さんの料理姿などが、自然体で
撮影されていてとても良い写真でした。
この家で生活するようになって、家族で団欒する時間が長くゆったりになったように感じ
ます。これから長くこの家で生活していると、もっともっとこの家の良さを感じるんだと
思います。そのたびに、丹羽さんの川瀬家の未来予想図の正確さに驚かされるのでしょう。
そして、丹羽さんはいつも自分で想像しているから、私たちの想像を超えることが出来る
のだろうなと感じました。
もう一度、家を建てるとしたらどうしますか?
答え もう一度、丹羽さんに依頼します。
【さいごに】
丹羽さんには本当に感謝しています。丹羽さんと出会って、人と人のつながりの大切さを
改めて教えて頂いたように思います。芦屋と南丹市は遠いですので、工務店さんとの連絡
も現場確認も大変だったと思いますが、しっかりとやりきってくださいました。
生活者の視点に立った丹羽さんの設計はクライアントの一人として最高の設計でした。
この文を読んで頂いた方には是非一度、丹羽さんに会って自分の思いを話してみることを
お勧めします。この男はきっと、あなたの想像を超えますから・・・。
(おしまい)
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ほめ上手な川瀬さんは、設計事務所、建築家をうまく使いこなすご夫妻でもありました。
多くは語らず、ヒントとなるような抽象的なイメージの断片を投げかけます。
そして、僕から何がでてくるのかを待つ。
そうして、ご自身で持っておられるイメージを具体化するために僕の引き出しを活用し、提案を引き出します。
川瀬さんの手のひらの上で、僕は望むところ!と手を動かします。
ご自身でも広くアンテナを張り、目的物を探し出す嗅覚に優れた方でした。
そんなご家族のために用意したすまいはご家族の手で編集され、味わい深く色がついていくでしょう。
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関連リンク紹介
・川瀬さんが連載中のコラム|「Sukkuのクスっと笑わせて」 ※リンク先で下にスクロールすると出てきます。
川瀬さんご夫妻が運営する「sukku」(スック)というリハビリを中心としたデイサービス施設での日々の様子を綴るコラム。
川瀬家が年に一度はご家族で撮影に行くという京都で唯一のフィルムスタジオ スツールさんのwebサイトにて連載中。
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