読みもの
空間のまとまりと、設計者の好み。
2011.05.28更新 / 今日のすま研
設計者が自分の好みを表明することは、大事なことだと思います。
設計を好みに頼ることなしに、まとめることは出来ないと考えているからです。
無数にあるばらばらの要素を、ひとつの家としてまとめようとする時、自分の裁量で決めなければならないことが必ず出てきます。
建築基準法や必要な性能などにもとづく部分はおのずと決まっていきます。そうやって決まるうちははとても気楽です。
屋根の色を例にとります。施主は設計者に、好きな色を伝えたり、どこかでみた記憶の中のすてきな屋根の色を伝えるでしょう。だけど、それがある場所に建つ、ひとつの建築物としてどうなりたっているか。ずっとひいた目線で、いろんな角度から、廻りにあるたくさんのモノとの関係がどうなっているか。
設計者はそういったことを意識しながら、最終的に判断しないといけないし、またそれが出来るのは設計者だけじゃないかと思うのです。
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