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土壁の魅力。土の魅力。
2017.10.21更新 / 今日のすま研
大阪市阿倍野区昭和町で工事中の築90年の長屋リノベーション現場で
左官屋さんが古い土壁の補修作業をしてくれています。
土に砂、藁、水を入れていい感じの固さになるまで混ぜます。
その分量は長年の経験による勘です。
「マニュアルはねぇんだよ」という感じが魅力を増しているように感じます。
材料は 土、砂、藁、水だけ。
泥をコテで練りつけるという直感的な作り方。
年月が経って劣化するのではなく、味わいを増すという魅力。
(これは好みがわかれますね。)
左官屋さんによると、
土壁が剥がれ落ちてきても、また練り直して使えるそうです。
また、一から土壁を作るときは、竹小舞に始まり荒壁(一番はじめに塗る土の層)が乾くのを待ち、中塗り、仕上げと、塗っては待って半年以上かかるんだそう。さらに、材料を混ぜてから、藁が発酵するまで待つとよりひび割れが少なくていいんだとか。
今回は待てませんでしたが、本来そんなペースで作っていくものなんですね。
この古い壁を見た時に思いました。
これはいいと。
そして今回の補修で左官屋さんの作業の過程、塗り終わった壁を見て思いました。
やっぱり好きやなと。
性能で比較することも大事ですが、最後は気持ちも大事です。
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