読みもの
2011年5月30日
2011.05.30更新 / 今日のすま研
先日、西宮のあるニュータウンを見学に行きました。
約30年前に山を切り開いてつくられた街です。
西宮に長年住んでいながら
ほとんど行ったことがありませんでした。
西宮は、南は海に北は六甲山に挟まれた街
とよく言われますが、
正確にいうと
六甲山の向こう側にも西宮があります。
それが西宮の北部地域と言われているところです。
六甲山の向こう側にあって
地理的につながりが薄いために、
人と人の行き来も薄いわけです。
そういうわけで、
人生2回目のそのニュータウン訪問だったのですが
(1回目は勤めていた工務店のお客さんと土地探し)
思った以上に街がきれいで素敵でした。
緑地協定を地域で結んでいて
道路から70㎝の部分を各自で緑化しているんです。
それがかなりいい感じになっていました。
とてもきれいに茂っていました。
おかげで、どの街路もすごく緑豊か。
そうすると、
ニュータウンはふつう山を切り開くので
坂がある街になって、
擁壁がやけに目立ったりするものですが、
(ヨウヘキ:土を留めるための大きな壁のようなもの)
街路の緑がそれを覆い隠して美しい。
そこまではよかったんです。
でも、5分程そこにいて何か違和感を感じる。
全然人がいないんです。
ときどき配達の車やバイクが通るくらい。
なんでなのか考えてみて、
そうかみんな仕事や学校にいってるんだ、と。
普通の街には色んな世代や職業の人がいるので
就学前の子供と親なんかがいれば、
退職した世代の人がいて、
また自営業の人もいるわけですから、
日中だって街には人がたくさんいます。
でも、ニュータウンは違う。
同じ世代が集まってくるから
こうなるんですね。
将来は一斉に高齢化することになるかもしれない。
千里ニュータウンもその問題が起きているようです。
究極をいうと
どの街だって最初はニュータウンだったわけですから、
こういった新しいニュータウンも
これから多様化していくのかもしれません。
ただ、用途地域や地区計画で
多様化することを制限しているわけですから
(法や条例で、住宅以外の建物を禁止しているなど)
どこまで多様化できるのか。
そもそも多様化を避けているわけですから…。
少しモヤモヤした気持ちでニュータウンを後にしました。
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