読みもの
おもしろかった!
いい本を読みました。
わが家ではスタジオジブリが発行する小冊子、「熱風」-スタジオジブリの好奇心ー
を定期購読しています。
2013年7月号で「憲法改正」というテーマにおいて宮崎駿さんが寄せた文章が読みたくて購読を始めて以来、毎回の巾広い分野に及ぶ興味深いテーマに感心したり考えさせられたり。
その中のある特集で知った朝日新聞記者、近藤康太郎こんどう・こうたろうさん。
書きたいことを書くために、自分の食い扶持は自分で作る!ということで、実際に早朝だけ水田で米を作ることに挑戦したライター。
特集を読んで、これは!と感じた僕は早速同氏の著書「おいしい資本主義」を手に取ったのでした。
これがまた面白ろかった。
ファンシーなレストランで食事がしたい。そのときはブランド服を着ていたい。いい車で行きたい。高級腕時計をしていたい。セレブになりたい。飛行機ではビジネスクラスに、ファーストクラスに乗りたい、~中略~
妄想に多少の個人差があるくらいで、資本主義社会で生きる者の欲望の方向性、ベクトルは、笑っちゃうくらいに同じだ。つまり、欲望が普遍化されている。
「成長よりほかに道なし」というスローガンも、新自由主義の脅迫の変奏だ。「〇〇しかない」なにかを強圧してくる人の言いぐさは、歴史上、みな、同じだ。「そうでもないんじゃねえの?」あらゆる強圧を拒むパンクスの言いぐさも、じつは、いつの時代でも同じなのだ。~中略~「成長よりほかに道なし」というスローガンに酔えないなら、「飢えるのがいやなら低賃金で働け」とあからさまに押しつけてくるネオリベにふざけんなと思うなら、そんな社会にはあっかんべして、すり抜ける。闘争じゃない。逃走。ほかの生き場所、生き方を探す。
(原文のまま)
もはや魔法ことばと化した「グローバリゼーション」への違和感とか、資本主義のからくりとそこで生きるということの意味とか、神格化される農のイメージに言及していることとか。具体的にどうするというわけじゃないけど、これからの生き方を考える上でのヒントがつまっている気がする。
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