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おせっかいな規制。

2011.05.17更新 /

条例とか法律って「おせっかい」だなと思うことがあります。

兵庫県に『福祉のまちづくり条例』があって、21戸以上の共同住宅をつくるときにはスロープや身障者向けトイレを整備する必要があるとのこと。

たとえば、学生向けのワンルームを計画していて計画はギリギリいっぱい。
そんなときでも21戸以上であれば、スロープを設置しないといけない。

スロープって少しの段でも12分の1くらいの勾配にしないといけませんから、20センチの段差でも長さ2m40センチいる計算です。幅もとらないといけないし、進入路もとらないといけないし、このワンルームの計画がすでにギリギリいっぱいであれば、まず無理でしょう。

「1戸くらい減らして、この条例を逃れる方がマシ。」ってなるでしょうね、普通。

『たくさんの施設がバリアフリーになってる方がいい』そうだと思います。
でも、それを義務にするべきかどうかは別なんじゃないでしょうか。

義務づけるってことは、みんなそうしなきゃ「いけない」ことになるんですから。
「そうしたい」という動機付けを多くの人に持ってもらうほうが、効果的だし建設的だと思うんです。

だから条例をつくるんじゃなくて、障害者の方にはバリアフリー対応の県内施設をかんたんに検索できるようにして公開する。建物をつくる側にはそのシステムがどれだけ利用されてるか、これだけバリアフリー対応のニーズがあるんですよと、知らせる。その方がいいと思うんです。

規制じゃなくて情報公開。そうなっていったらいいなと考えてます。

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