事例集
カフェ「セレンペッシュ」
2022.06.25更新 / 事例集
カフェ「セレンペッシュ」
理学療法士が考えるカラダ、食、妊娠出産をテーマにしたカフェ
地域
大阪市中央区南船場2-4-20大阪福谷ビル1F
大阪 船場は、北は土佐堀川から南は長堀川(現在の長堀通り)、東は東横堀川(現在の阪神高速南行線)から西は西横堀川(阪神高速北行線)まで、かつて一帯が船着き場だった地域。カフェ「セレンペッシュ」がある南船場は、心斎橋筋商店街や長堀通りの地下街が近く、オフィスビルと飲食店が多い。
店作り
親子でくつろぐことや理学療法士が提供するワークショップを想定し、靴を脱いで過ごすスペースとした。
理学療法士が考えるカフェ「セレンペッシュ」はカラダがひとつのテーマとなっている。
そのため、素材は身体と相性の良い自然由来のものを使い、空間のポイントとなる靴脱ぎラインやローテーブルは曲線的な形とした。
ひとの顔や肌がそうであるように、均質的でないデザインを目指した。天井と壁はランダムな長さの木材が継ぎ合わされた板材の裏面を見せるように張っている。裏面なので色合わせされていないことと、裏溝と呼ばれる数本の溝が入ったチーク材を使うで、表情豊かな空間となった。
大きくせり出したビルの柱は濃い色を使い、空間のアクセントとしている。現場で調整をしながら混ぜ合わせた竹炭モルタルをムラを残した左官仕事で仕上げている。木材が見せる表情とあいまって、均質でないという特徴をデザインの核とした空間を作ることが出来た。
店の前には、外部ではあるが雨のかからない軒先スペースがあり、コンパクトな店内と一体的に感じらるテラス席として利用している。今後テラスの前面に流線型の形が特徴的なトレーラーが置かれ、理学療法士が提供する施術スペースやカフェの個室として利用される。
店内と外部テラス、トレーラーとを一体的に感じられるよう、大小さまざまな植栽を配置することを提案している。直線が多く、人工的な建築と対極にある枝や葉の自然な形や存在感が、外と内を含めたひとつの場所としての魅力を高めてくれる。
写真|笹の倉舎 笹倉洋平