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アイノとアルヴァ 二人のアアルト展
2021.09.01更新 / 探訪!愛すべき建築たち
兵庫県立美術館で開催されたアイノとアルヴァ 二人のアアルト展です。
アルヴァアアルトと言えばフィンランドの巨匠建築家。
その妻であるアイノさんも建築家、インテリアデザイナーとして知られています。
アルヴァらとともに設立した、家具の製造・販売を行うアルテック社は、今でも多くの家具に影響を与えています。
今回はアイノアアルトとともに、二人のアアルトの軌跡を紹介する企画でした。
悩んだ痕跡が残るスケッチや、作り込まれた模型、当時の雰囲気が伝わってくる写真などの展示は興味深く、
意外とミーハーな夫婦やな~と突っ込みたくなるエピソードに思わずつっこんだりと隅々まで楽しみ尽くしました。
数ある展示の中で一番印象に残った建物は、アアルト家族が過ごすために湖のほとりに建てた小さな平屋の家。
長方形の平面に切り妻屋根が乗っています。
建物の長手方向は湖に面しています。
登頂から湖に向かって下がってくる屋根はそのまままっすぐ延ばされて家と湖の間にあるテラスを作っています。
その気持ちのよさそうなテラスにイージーチェアが置かれている写真があります。
これみよがしさはなくて、家族の楽しい暮らしぶりを容易に想像させてくれる温かみのある家。
そんなことを思って見ていたらこれはアイノの設計でした。
楚々とした佇まいの小さなかわいい家。
アアルトだったらこうはならなかったんじゃないかと思います。
ダイナミックな構成で洗練されたデザインの建築を作るアアルトが不得意な部分をアイノが補っていたのだろうか。
だとしたらいい関係ですよね。
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