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屋根の劣化状況を調べる。
2020.03.04更新 / 今日のすま研
改修工事の場合、既存の建物の状態をよく調査しておく必要があります。
耐震的に弱いところや雨漏りなどの悪いところをそのままにしておくと、後々に被害が大きくなってしまうかもしれません。お金をかけて作った部分がだめになってしまうなんてことにならないようにしたいですよね。
今回は、雨漏りがあることが分かっていました。
建物の設計図は残っていません。まずは屋根がどんな材料で劣化状況はどうなのか。
そしてどんな改修が必要かを見極めないといけません。
屋根に登ってみると、屋根材はメッキされた鉄板で、塗替えなどのメンテナンスがされていなかったためご覧のようにサビだらけです。
穴があいて水が入り、屋根の下地の板や木が腐っている箇所がありました。
屋根の改修方法は大きく2つ。
1.屋根の葺き替え
2.今の屋根の上に新たに屋根を葺くカバー工法
そして、それぞれ屋根材の選択肢はいくつかあります。
工事期間の短縮、撤去処分費の軽減など、カバー工法のメリットを考慮しつつ、屋根材は何がいいのか、屋根以外の改修内容からどういうやり方が適しているのかなど、総合的に判断します。
今回は断熱材を新たに設ける必要があるので断熱材を既存の屋根材の上からつけることができるカバー工法が有力です。
雪が降る地域なので雪の滑り止めがつけてあります。
屋根の雪を落とすのではなく、屋根の上に溶けるまで雪を乗せておくというやり方です。
積雪時は雨とは違う高さから水が入っていくので要注意ですね。
今回は屋根の改修工事、断熱をつける工事は優先順位が高いです。
新築、リノベーション問わずこのような目に見えないところにかかる費用は必ずあります。調査と設計の期間を充分とり、工事の内容と予算を決めていくことがお勧めです。
長く住むことになるすまいには、長い目でみた作り方とお金のかけどころが大事ですね。
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