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家を考えながら思う土地の探し方

2016.03.10更新 /

新幹線が見える土地

とある住宅地に計画する木造2階建ての住宅です。

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この土地の特徴は南の方向に新幹線の高架が横たわること。
どれほどのものかと現地に向かうと、新幹線が通るたび、
周辺の家の建具が風圧で振動する音が聞こえます。

車中から見ていれば一瞬で過ぎ去っていく景色も
景色の側から見れば盆も正月も休まず、一定の間隔で音や振動を感じるわけだから
なかなか厳しい環境です。

建物にはそれなりの対策が必要です。
まずは建具、外壁の仕様で遮音性を向上させることを考えました。
そして窓の配置。窓が高架に対して直接向き合わないように。
2階の建物の廻りを囲むようにテラスを作り、緩衝帯の役割を期待します。

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家の配置を出来る限り敷地の北側に寄せ、南側に前庭をしっかりとって
木々が育つのを待ちます。防砂林ならぬ防音林です。

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窓は遮音性のいいサッシを選ぶこともさることながら、室内側にもうひとつサッシをつける
二重サッシにしたり、内側に障子をつけることも効果がありそうです。

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しかし南の方角は部屋の居心地に関係する方角です。
音のことばかり考えて閉鎖的になってばかりはいられません。
いたしかゆし。

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ところで、
土地の価格って地域の相場を基準にして加点や減点をして売値が決められます。

相場より安くて予算内!という土地があったとしたらまずはどういう理由で安いのかを
わかっておきたいですね。
安いのには理由があります。
それを克服するために安くなった分以上にお金をかけたら本末転倒です。

自分の価値観に照らして気にならない理由で安いのだったら文句なし。
ちょっとした工夫で克服できることならそれもあり。
お金をかけてでも住みたい環境がある、という場合もありましょう。

土地は個性豊か。ひとつとして同じものはないと言いますが、
金額だけで選んだ結果、性格を後から知って後悔することのないように
見極めたいものです。

土地を探すとき、商品を選ぶという感覚ではうまくいかないと思います。
僕たちは、陳列されていたり画面に映る商品を、性能と金額とを
見比べて選ぶということに慣れ過ぎています。
同じ商品なら一定の品質を満たしているしどこで買っても同じだというルールを
信じています。

商品のスペックは土地でゆうならば金額や面積など不動産屋が教えてくれる情報です。
予算や地域などの条件を満たすかどうかはそれでわかります。
建築基準法や地盤の強さなど、わからないことはプロである建築士に聞いたら教えてくれます。
でも最終的にその土地を好きになるか、買うかどうかは自分で感じて決めないといけない。

まずは見に行く。
ちょっと歩いて、写真を撮って帰るようじゃだめです。
性格を知るのに一寸顔見ただけじゃわからない。

不動産屋と一緒だったら気兼ねするというなら
別の日にひとりで見に行きます。

周りの雰囲気はどうか。
隣の家はどんなのでどんな暮らしぶりか。
更地だったら敷地の中を歩き回ってみる。
敷地に立って色んな方向を眺めながら、窓から見える景色を想像してみる。

既存建物があったら中に入ってみる。
遠くから歩いて敷地に近づいてみる。
高いところから見下ろしてみる。
日の当たりかた、風向き、におい、音。
ひとや車の往来の具合。

専門的なことはさておき、
そこに住みたいという気持ちを持てるかどうなのかを
大事にしたいですね。
その気持ちが壁を乗り越える力になります。

そして、これは無理かもしれないと思っても
設計でうまく工夫できることは多々あるということもお忘れなく。

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