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新築分譲マンションの仕様はみんなの好みを映す!?
2016.02.14更新 / 今日のすま研
先日、新築分譲マンションの完成検査に立ち会う機会がありました。
すまい研究室では無垢の木を使うことが多いですが、
新築分譲マンションで無垢の木が使われることはまだまだなさそうです。
マンションは大量生産の商品であることと、買い手が不特定多数だからということが言えそうです。
そもそも安く作りたい売り手には眼中にないのかもしれませんが、その点以外でも木には節(ふし)があったりなかったりするし、板と板の隙間が広がったり反りが出たりするので、売り手としては扱いにくい。
クレームの原因にもなるようなものは最初から使わない、使えないというわけです。
でも、床材も建具も、ついている模様は木目が多いです。
全部木で作ると高くなるので見えるところだけに木を使おうということで、
コンマ数ミリくらいに薄く削ったした木材を表面に貼ったものがあります。
そのほか、木目を印刷したシートを貼ったものもあり、建具はほとんどこちらが多いです。
つまり、みんな木が好きってこと。
だからこそもう一歩ふみこんだらどうかと思います。
具体的には見た目以外の部分に目を向けてみる。
加工しやすいということに加えて、吸放湿性があって適度な堅さがあることからくる足触りのよさ。
金属のように、極端に熱かったり冷たかったりしないこと。
工業製品に比べると建材になるまでの過程で環境に与える影響が少ないこと。
いろんな視点で比べてみればすごく優秀なものだと思います。
すま研の目指すところは時間が経つことでよりよくなる家。
家は長く住むものだから、磨かれて艶のでた古材をいつくしむような価値観がぴったり合うんじゃないか
と思います。
マンションは安く作ることと、なるべく多く売れるということを追及します。
大多数に標準を合わせています。
かたやすまい研究室は結果的に少数派に向けてわーわー言っていることになります。
健康の問題、環境の問題などを考えると好みの問題とばかりは言っていられない
ところあると思うのですが、善と悪だなんて単純に語れる問題でもありません。
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